バスケットボールタイム

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全九州高校体育大会での暴行事件について私的見解を語る

 昨日、高校バスケ全九州高校体育大会の準決勝で、外国人留学生が審判に暴行し、没収試合になる事件が起こった!

 いかなる理由があろうとも、試合中に暴力を振るうことは許されることではないが、今回の事件は、当該選手一人だけの問題ではないように思う。
動画で見るかぎり、当該選手がオフェンスの際に、オフェンスファール(おそらくイリーガルスクリーン)をとられ、その判定を不服とし、審判に詰めより、手を出したように見えた。


 話は少しそれるが、私は高校生の頃、大会中に審判の判定に納得できず、ベンチのイスを蹴りあげ退場になったことがある。勝ちたい一心でプレーし、自分が思いもよらないところでファウルやバイオレーションを取られ、冷静さを失った。あとは、自分自身をコントロールすることができず、怒りにまかせてベンチの椅子を蹴った。その瞬間は、チームのことや、オフィシャル、審判、対戦相手、試合を成立させるために尽力してくれている人たちのことなど考えられず、怒りをただぶつけることしかできなかった。私自身の未熟ゆえに起こしてしまった暴挙だった。しかし、選手なら、1度くらいは、審判の判定に納得できず、不満を現してしまうという経験をしたことがあるのではないだろうか?


 今回の暴行事件で私が気になったことは、
1)そもそも選手は、なぜファールなのか理解していたのか?
  (日本語はほとんどわからなかったという報道もある)
2)チームメイト、コーチが、当該選手の異変に気付き、彼を制止する。もしくは、彼の代わりに説明を求めるなどのフォローが可能だったか?
3)私たちは、彼ら外国人留学生に対して、彼らの文化や思想を少しでも理解しようとしているのか?


の3点です。彼は体は大きいといっても、10代の少年です。祖国から遠く離れた日本でたくさん努力し、孤独や言葉の壁と闘いながら、強豪校のレギュラーを獲得したのでしょう。そんな彼らの文化や思想、習慣を理解し、日本の文化、思想、習慣、言葉を教え、バスケだけでなく、勉強面も精神面も人間として成長する機会をもっと増やすべきなのではないでしょうか。これは、外国人留学生に限った話ではなく、日本人の学生たちにも必要なことだと思います。
 それは、教育の現場で生徒、指導者を見ていると、昭和生まれの指導者と、平成生まれのプレーヤーとの間に考え方や意識の違いがあると感じることが多々あるからです。
 この事件を通して、私たちはスポーツを通じて、若者たちを大きく人間的に成長させるためには何が必要なのかを考える必要があるのではないだろうか?相手を知り、相手の気持ちに寄り添い、相手の視点で物事を考えることを、まずは私たち大人から実践しなくてはならないのではないだろうか?一人一人が人間として大きく成長し、お互いをリスペクトし、感謝の心を持ちながらプレーすることができたなら、このような事件は2度と起こらないのではないだろうか?
繰り返し言うが、暴力は決して許されることではない。だからこそ、暴力に訴えることがない環境や方法を考えることが大人の使命だろう。

最後に、暴行を受けた審判の方の1日でも早い回復を心からお祈り申し上げます。